はじめに 街を歩いていると、普段目にしていた店や家がなくなって空き地になっていることがある。 新しくできた空き地は、上の写真のようにきれいに整地されていることが多い。 しかし、なかには目を引く痕跡が残されていることもある。 たとえば、この空き地のように門柱や塀の一部が残されていたり… この場所のように庭の痕跡(庭石や樹木)が残されていたりする。 これらの空き地に出会うたびに、私の頭に「遺跡(いせき)」という言葉が浮かんでくる。 遺跡と聞くと、ふつうは国や地方が文化財として保護しているものを思い浮かべるかもしれない。しかし、辞書には「過去の人間の営為の跡が残されている場所。」*1と記されている。したがって、ここでは最近できたばかりであっても、過去の痕跡が残る空き地を「遺跡」として扱う。その上で、身近にある遺跡をとおして人々の営みを探ってみたい*2。 なお、この記事では以下の目次にあるように9