中国最後の王朝である清の時代、『古今図書集成』という巨大な百科事典が制作されました。図がたくさん入っていてながめているだけでも楽しい本ですが、時代が時代だけあって、微妙に中途半端にヨーロッパからの知識が紛れ込んだりしています。それは動物についても同じ……ウマやイヌ、ヤギのように共通する動物は中国の文献が参考にされていますが、そんななかに、なぜかユニコーンやサラマンダー、スゥー(!)まで入っていたりして、大航海時代以降の伝説俗話伝統がいかに世界規模になったかがうかがえます。その説明書きを見てみると、たとえばプリニウスとほぼ同じものが書かれていたりすることもあれば、ヨーロッパのものとされながら出所不明な動物も入っていたりする。 そのうちからいくつか紹介してみようと思います。 この図はどこかで……コンラート・ゲスナーの『動物誌』とほぼ同じ! やや毛深く、いかにも中国風の樹木や岩石が背景に書かれて