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猫と青空文庫に関するkousyouのブックマーク (1)

  • 萩原朔太郎 猫町 散文詩風な小説

    蠅(はえ)を叩(たた)きつぶしたところで、蠅の「物そのもの」は死にはしない。単に蠅の現象をつぶしたばかりだ。―― 旅への誘(いざな)いが、次第に私の空想(ロマン)から消えて行った。昔はただそれの表象、汽車や、汽船や、見知らぬ他国の町々やを、イメージするだけでも心が躍(おど)った。しかるに過去の経験は、旅が単なる「同一空間における同一事物の移動」にすぎないことを教えてくれた。何処(どこ)へ行って見ても、同じような人間ばかり住んでおり、同じような村や町やで、同じような単調な生活を繰り返している。田舎(いなか)のどこの小さな町でも、商人は店先で算盤(そろばん)を弾(はじ)きながら、終日白っぽい往来を見て暮しているし、官吏は役所の中で煙草(タバコ)を吸い、昼飯の菜のことなど考えながら、来る日も来る日も同じように、味気ない単調な日を暮しながら、次第に年老いて行く人生を眺(なが)めている。旅への誘いは

    kousyou
    kousyou 2010/12/23
    詩人萩原朔太郎唯一の小説。このパラレルな世界に迷い込む感覚はよくわかる。
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