世間で話題になる論点という意味では、帯にもあるデフレ論(「リフレ派」批判)が注目の的なのかも知れませんが、わたくしにとってはそういうたぐいのことよりも、とりわけ第3章で論じられていることの方が、百万倍重要な論点です。 http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1112/sin_k627.html >失業率の悪化、労働生産性の停滞、消費の低迷―。長期にわたる日本経済の不調の原因は「デフレ」だと言われていますが、本書では理論経済学の立場からその「常識」を疑い、不況の本質を探ります。 なぜ賃金は上がらないのか。そもそも企業は誰のものなのか。著者の理論に基づき、雇用と金融の側面から不況の原因を読み解く鍵を提供します。 そして、大震災後のいまこそ、経済成長至上主義から脱却し、社会的共通資本としての教育を充実させることの重要性を強調します。 はじめに