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ブックマーク / www.nikkei-science.com (2)

  • 新たな不確定性原理を求めて

    原子の中の電子などの振る舞いを説明する量子力学。その根にあるのが今から約80年前に提唱されたハイゼンベルクの「不確定性原理」だ。だが,極微の世界はいまだ完全には解明されず,研究の進展によって,不動と思われていた不確定性原理にも揺らぎが見え始めた。東北大学の小澤正直教授によって新たな不確定性原理の式が示された今,見直しは不可避の情勢だ。 不確定性原理とは次の不等式で表される。位置の不確定さの幅をΔq,運動量の不確定さの幅をΔpとすればΔqΔp≧h/4π。πは円周率,hは量子の世界の基定数「プランク定数」だ。この不等式は大学の物理学の教科書の冒頭に載っており,量子力学の基礎として位置づけられている。式は非常に簡潔だが,意味するところは実は非常に複雑で奥が深い。「一般にはあまり意識されていないが,この不等式には大きく分けて2つの種類がある」(小澤教授)。式の形はまったく同じだが,左辺に置かれ

    新たな不確定性原理を求めて
  • ハイゼンベルクの不確定性原理を破った! 小澤の不等式を実験実証

    「小澤の不等式」。数学者の小澤正直・名古屋大学教授が2003年に提唱した,ハイゼンベルクの不確定性原理を修正する式です。小澤教授は30年近くにわたって「ハイゼンベルクの不確定性原理を破る測定は可能」と主張し続けてきましたが,このたびついに,ウィーン工科大学の長谷川祐司准教授のグループによる実験で実証されました。15日(英国時間)付のNature Physics電子版に掲載されます。 小澤の式とはどんなものでしょうか? まず,物理の教科書をおさらいすると,1927年にハイゼンベルクが提唱した不確定性原理の式は,こんな形をしています。 εqηp ≧ h/4π  (hはプランク定数,最後の文字は円周率のパイ) εqは測定する物体の位置の誤差,ηpは位置を測定したことによって物体の運動量に生じる乱れです。もし位置が誤差ゼロで測定できたら運動量の乱れは無限大になり,測定してもめちゃくちゃな値がランダ

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