良質な水道水確保に不可欠な「水源林」を買い占めなどから守るため、東京都は多摩川水系上流域で山林の大規模買い上げに乗り出す。 都は、中国など外国資本による山林取得が全国的に進んでいることを警戒。林業の不振で、水源林にまたがる山林の転売を検討している地権者も多く、都は年内にも奥多摩町や、隣接する山梨県内の山林計約570ヘクタールの購入を目指す。 多摩川水系の水源林は、旧東京市が1913年から、水量と水質保全を目的に奥多摩地区や山梨県内など上流域で民有林の買い取りを進めた。33年に奥多摩町内の約4780ヘクタールを取得したのが最後で、都になってから民有林は購入していない。 多摩地域は林業が盛んだったが、戦後は輸入木材に押されて全国的に林業が衰退。多摩地域でも80年代から林業従事者が減り始め、山林を手放す地権者が増加。水源林の荒廃が進み、2007年には台風9号の被害による土砂崩れなどで、奥多摩町の