前のニュース ブラジル全土が動向を注視する人物がいる。それは予想外とされた利下げを行った中央銀行総裁ではなく、先月にがん克服を宣言したルセフ大統領でもない。「カナリア軍団」の愛称で親しまれ、あがめられ、ときに非難の的となるサッカー代表チームの監督である。 今月12日、メキシコの都市トレオン。ブラジルはメキシコとの親善試合を2-1で勝利しメネゼス監督(49)は称賛を浴びた。魔術師の異名を持つロナウジーニョ(31)が4年ぶりのゴールを決めた。 7月17日。女子W杯ドイツ大会で「なでしこジャパン」がPK戦の末に初優勝を遂げた夜、ブラジル人は失望に暮れていた。同じ時間帯に男子代表が南米選手権の準々決勝でパラグアイにPK戦の末敗れ、3連覇を待望した国民から監督への批判が巻き起こった。 リオデジャネイロの会社員、ダニエル・カルバリョさん(23)は「若手が経験を積まなければW杯は厳しい。なでしこみたいな