※前回まで:2015年8月はモンゴル・ゴビ砂漠の調査に出かけた小林さん。2011年8月に発見した恐竜の営巣地の調査に決着を付けるべく、現地へ向かいます。 モンゴルは今年もいい天気だった。車に乗り込み、調査地に向かう。 話によると、今年のモンゴルは雨が少なかったが、私たちがモンゴル入りする前に、数日間連続して雨が降ったという。そのせいか、いつもよりも緑が多い。 「テメー!」 一緒に乗っていたモンゴル人が叫ぶ。決して怒っているわけではない。モンゴル語でラクダのことを「テメー」というのだ。 彼が言うように、ずっと先の方にラクダが見える。何頭か集団でたむろしているようだった。ラクダたちは草むらに座り込んで、リラックスしている。私たちの車が近づいていくと、その音でいらついたように立ち上がるものもいれば、何事もないように座ったままのものもいる。コブがしっかりと張っている。食べ物を十分に食べて、脂肪を溜