生活保護受給者がギャンブルで浪費するのを見たら情報提供するよう市民に求める兵庫県小野市の条例が注目を集めている。同市によれば全国から賛同の手紙などが多数寄せられ、他自治体へ導入を望む声もあるが、川崎市生活保護・自立支援室の相沢照代担当課長は「現場としては苦しい制度だ」と否定的だ。(山本哲正) 支援室によると、条例のない今も市民から「受給者がギャンブルに浪費している」との情報が時折寄せられ、関心は高い。パチンコ店に加え競輪場、競馬場がある川崎市で条例ができると通報の増加が予想される。 生活保護の受給は「最上級の個人情報」(相沢課長)。だから、市区の窓口は受給者であろうがなかろうが、通報内容を「そうですか」とあいまいに受けざるを得ないが、「通報者に『やはり、あの人は受給者なんだ』と誤解を招くケースも出てくる」と相沢課長は心配する。