断絶したように思えても、絆はまだ誰の中にも生き続けている。そして、そこに志さえあれば、世代を超えて技と心は受け継がれていく。『4522敗の記憶』 野球というものを、ちゃんと見たことがない。横浜ベイスターズが“万年最下位争い”のチームだったということも知らなかった。それでも、ベイスターズ球団史『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史』(村瀬秀信/双葉文庫)を読んで心を揺さぶられたのは、ベイスターズを私自身と重ね合わせたからだ。失敗つづきの自分、人生の波が大きく先の読めない自分、人の期待に応えられない自分……。しかしこんな私にも、尚、愛をもって応援してくれる人たちがいる。決して、すべてが無駄ではなかったのだと、本書を読んで気がついた。 大洋ホエールズ、横浜ベイスターズ、横浜DeNAベイスターズと、球団名を変えて尚、受け継がれてきた“技と心”。そこに魅了される2人に話を聞くことにし