毎年、9月~翌年5月にかけ、兵庫県の瀬戸内一円に設置されるノリの養殖網に、プレジャーボートやヨットが乗り上げる事故が後を絶たない。生産に大きな損害が出るケースもあり、第五管区海上保安本部(神戸)が注意を呼び掛けている。(長谷部崇) 昨年10月5日夜、尼崎市の60代男性ら2人乗りのヨットが須磨沖を航行中、養殖網に接触。プロペラに絡まり動けなくなった。男性は現場付近にノリの養殖網があることを知らなかったという。 兵庫県によると、2012年、兵庫は国内生産の19%を占め、全国2位のノリ産地。今の季節の瀬戸内は、東は神戸から西は赤穂、南は淡路島まで、広大なノリの養殖区画が延々と続く。 区画の周囲には、黄色や白の灯浮標(ブイ)が100~200メートル間隔で設置されているが、五管本部によると、昨シーズンまでの3年間で計20件の乗り上げ事故が発生。今シーズンもすでに5件起きた。25件のうち、23件がボー