「化石の町」南三陸町の復活へ、はずみがつきそうな化石が町内で発見された。東日本大震災前は、世界最古の魚竜「歌津魚竜」をはじめ古代生物の化石が数多く発見された土地として知られた。津波で全壊した化石資料館がある歌津の復興を願い、発見者は新種の頭足類を「シチュアノベルス・ウタツエンシス」と命名した。 北海道大の伊庭靖弘助教(31)らのチームが、同町歌津の漁港近くの地層から発見したのは、イカに形態が近いベレムナイトの日本最古の化石。震災前の2010年11月のことだった。 ベレムナイトはアンモナイトと並んで中生代(三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の総称)を代表する頭足類の化石の一つ。イカに似ているが、体内に石灰質の殻をもつのが特徴で、魚竜のエサになっていた。これまでの通説では「ジュラ紀最初期(約2億年前〜)にヨーロッパで出現した」と考えられていた。 ところが、伊庭助教らは、歌津のジュラ紀最初期の地層か