川崎市の社団法人が発案して、宮城県南三陸町のワカメを混ぜた飼料でヒツジを育てる取り組みが始まった。ワカメの豊富なミネラル分がヒツジを丈夫にし、肉をおいしくするという。東日本大震災の復興途上にある町の名産にと夢が膨らむ。 (栗原淳) 「ヒツジは塩分が好きらしく、飼料の中からワカメを探して食べていますよ」。発案した一般社団法人「さとうみファーム」代表理事の金藤克也さん(47)=川崎市宮前区=は、手応え十分といった顔だ。 収穫量が約千九百トン(二〇〇七年)と、宮城県で最もワカメが採れる南三陸町。金藤さんは震災後、町でボランティアに参加する中で、売り出さずに捨てるワカメの芯が、活動拠点の寄木地区だけで年百トンに上ることを知った。