「エサやりがクマを殺す」。知床財団(事務局・斜里町)は、世界自然遺産の知床で、刺激的な文言と写真を使って観光客らにヒグマに餌を与えないよう訴えるキャンペーンを始めた。野生動物への人間の過剰な干渉や善意が、野生のクマを死に追いやる現実を強く訴え、観光客らに自制を促す戦略だ。 クマは人の食べ物の味を覚えると、ごみ置き場を荒らしたり、キャンプ場や車に寄ってきたりする。地元住民や観光客に危険が及ぶと判断されると、クマが駆除される場合がある。 同財団はこれまで、クマと人との遭遇による事故を避けるため、人前に現れたクマに、花火で大きな音を立てたり、ゴム弾を撃って痛みを覚えさせたりして、クマが人間を嫌うように学習させてきた。 その一方で以前から、知床を訪れた観光客が、人里や道路に現れたクマに車中から餌をやる迷惑行為の情報が、同財団に寄せられていた。さらに今年はクマの出没数が多く、人がクマに餌やりをする場