海底の砂地からニョッキリ顔を出し、潮の流れに身を任せて集団でゆらゆら――。この「ゆるい感じ」がかわいいと女性や子どもに大人気の魚・チンアナゴの展示が、アクアマリンふくしま(福島県いわき市)で復活した。震災の津波で飼育用電源が失われて死んでしまったが、水槽の修復が終わり、約40匹の飼育を始めた。 サンゴ礁に住むアナゴ科の魚で、体長約30~50センチ。体の3分の1ほどを砂から出して、流れてくるプランクトンを食べる。アクアマリンでは電源装置が破壊されて水の循環や水温維持ができなくなり、魚など約20万匹のうち約18万匹が死んでしまった。さらにチンアナゴのいた水槽は、地震で擬岩が壊れ、修復に時間がかかっていた。 携帯ストラップや抱き枕などアクアマリンオリジナルグッズのなかでも、チンアナゴは売れ行きがいい。入館者のアンケートでも復活を望む声が多かった。水槽前では、子どもたちが集まり、歓声を上げている。