カナダのセントローレンス湾で、頭と口に漁具が絡みついているところを発見されたタイセイヨウセミクジラ。これが、溺死や餓死につながることもある。救助隊が見守る中、このクジラは3時間後に自力で脱出に成功した。(PHOTOGRAPH BY NICK HAWKINS) 2019年6月20日、カナダ、ノバスコシア州シェテイキャンプ沖の海上で、「パンクチュエーション」という名前が付けられたタイセイヨウセミクジラ(Eubalaena glacialis)が死んでいるのが発見された。死骸は船で近くの砂浜まで引かれて行き、そこで解体された。 タイセイヨウセミクジラは、1900年代初めに乱獲により絶滅寸前に追い込まれ、1937年に商業捕鯨が禁止された。その後生息数は安定したものの、回復には至っていない。死亡数は年に数頭だが、ほとんどが船に衝突したり漁具に絡まって命を落としている。2000年代初めには500頭だっ