「めちゃぶつけ」というボール遊びに興じたのは、小学5年か6年からのことだ。中学でも盛んだった。自分たちだけの勝手な遊びかと思っていたら、他の中学でも行われていたらしく、高校でもずい分流行したものだ。 ルールは単純。ボールを持ったら、誰かまわずにぶつける。当然相手は逃げるから、追いかけて投げる。当たろうが当たるまいが、ボールを拾った者が次に投げる。だから、全員がボールと一緒に走り回る。参加者が多いほど入り乱れ、標的が増えるので面白い。使うボールは、ドッジボール用でもバレーボール用でもテニス用でもよい。軟式野球用も使ったが、これだけは痛すぎて駄目だった。 チームも仲間もない。自分以外は皆が敵。勝ち負けや得点なども問題外。単純に投、走、守を競う。と言えば聞こえが良いが、ぶつけられた相手が痛がるのを見て、少々残酷な快感を覚えるところに醍醐味がある。腹や胸に投げてもキャッチされてしまうから、できるだ