※この記事は2017年2月12日にマンガHONZ(運営:株式会社マンガ新聞)にて掲載した記事の転載になります。 レビュアー:佐渡島 庸平 フランスやイタリアで最も有名な漫画家といえば、谷口ジローである。谷口ジローの作品は、多くの人に読まれているので、フランスのエンターテイメント小説の中の描写に普通に出てくるし、『遥かな町へ』という作品は、べルギーで映画化されている。ヨーロッパでは日本の漫画家といえば、谷口ジローで、ルイ・ヴィトンとのタイアップなども行っている。 世界は圧倒的に、谷口を賞賛しているが、日本ではどうか? もちろん漫画業界で、知らぬ人はいないし、漫画家を目指す人の中で谷口の影響を受けている人は多い。しかし、海外の評価が逆輸入されることもなく、商業的な大ヒットはあまりない。 日本国内で谷口を知っている人は、『孤独のグルメ』の作家としてだろう。ドラマ化もされ、国内でもっとも売れた作品
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