・企業としての「ライブドア」について 実業の会社で投資事業がたまたま成功し、「財テク」に傾斜する例は、イトマンや阪和興業など、過去にもあったが、成功した例はほとんどない。その多くは、制度の「すきま」をねらうか、株価を操作するか、最悪の場合には非合法な手段を使うか、のどれかであり、初期の幸運はながく続かないからである。 この意味では、ライブドアの失敗は昔からあるパターンで、本質的には新しい現象ではない。ただ、そのねらったすきまが株式交換による企業買収など最近の規制改革に関するものだっただけである。こうした失敗は、たいていワンマン経営者にブレーキをかける企業統治が機能していない場合に起こる。 もちろん監査法人にも責任はあるが、日本の現状では、監査役や監査法人によるチェックには多くを期待できない。「委員会等設置会社」にしても、解決にはならない。第一義的には、内部統制を確立し、「社長にものをいえる