« 銛の的としての魚、三味線の皮としてのネコ、そして私 | Top | エアブラシを衝動買い » 2009年09月13日 ●上山和樹:『「ひきこもり」だった僕から』 / ひきこもり追体験ブック / 世界の中心で「だが断る」を叫ぶひきこもり 2001年に出版された上山和樹『「ひきこもり」だった僕から』を読んだ。先日読んだ斎藤環の『社会的ひきこもり―終わらない思春期』がひきこもり経験を持たない医者である著者の視点から書かれたのに引き換え、この本はひきこもりを脱した(とされる)ひきこもり当事者によって書かれた本であるというところに大きな意義があるらしい。 現在の著者はひきこもり経験をもとにした講演や著作活動を行っている人であり、一般的にはどちらかというと文化人的なポジションを獲得して脱ひきこもりを果たした人といううことになる。 この本の前半は「これまで(自分へ)」として彼が生まれて育ち、引き