暗記、暗唱は、学問にとって障害でしかない。この事実を思いっきり自覚させられたのは、私が、大学に入って、教授に、受験勉強で覚えてきたものを全て忘れなさいと言われたときだ。物理学の方程式は、自分で考案し、導き出すものであり、暗記していては意味がない。自分で導き出すから理解できるのだ。だいたい、物理の法則は、仮説に過ぎない。そんなものを暗記して何になるのか。 我々が日常会話を交わすのに、国語辞典一冊暗記している者は、ざらにいない。だのに、英語の受験では、英語辞書一冊くらいの単語を暗記させられる。 小説を一冊暗記させたら、文学の面白さや味など失せてしまう。暗唱には、情緒、情感が入り込む余地がないからだ。歴史の年号に、何の意味があるのだろう。歴史から何を学ぼうとするのか。歴史の年号や人名を暗記する事で勢力を使い果たし、歴史から人生や世の中を知る余力がなくなってしまう。歴史は、面白い。その面白さは、年