高橋秀樹[放送作家] ※このインタビューを故・常田久仁子さんに捧げます。 *** 「お前インタビュー下手だな」 4時間に渡る第一回目のインタビューを終えた時に大将「萩本欽一」にそう声をかけられた。 「きょう喋ったことは、全部どっかで喋ってるぞ」 大将すみません。僕はどこかで聞いた大将の発言をもう一度自分の耳で確かめたかったのです。だから、あえて……。 次に大将は、僕にこう聞いた。 「作家やって家は建ったか」 「1軒だけ」 「そりゃあよかった」 なんと返答してよいかわからない。 「また来ていいですか」 「いいよ」 「ありがとうございました」 これから、僕は最低でも半年、長ければ1年、大将の家に週一回通って、話を聞き、大将のエキスを活字にする。萩本欽一の持っているものづくりのノウハウ、言うなれば「萩本欽一の財産」を、記録する。もちろん、それは、僕自身が大将に興味があるからだが、もうひとつの理由