「ネバー・ネバー・ネバー・ネバー・ギブアップ。私は大義のあることを諦めない!」 野田佳彦首相は年頭の記者会見で、チャーチル英元首相の「ネバー・ギブイン(決して屈服するな)」との言葉を誤って引用し、消費税率引き上げを柱とする社会保障と税の一体改革に突き進んだ。まず踏み切ったのは、障害となる「不適格閣僚」の更迭だった。 「私は安全保障には素人だが、これが本当のシビリアンコントロール(文民統制)だ」 素人自慢の一川保夫防衛相と、マルチ業界との深い関係を指摘された山岡賢次国家公安委員長がその対象だった。ともに前年に参院で問責決議を受けていた。 「最善かつ最強の布陣をつくるための改造だ」 内閣改造後、野田氏は胸を張ったが、「素人」の一川氏の後任に据えたのは「ド素人」の田中直紀氏だった。田中氏は野党の格好のターゲットになる。審議を抜けだし国会内の食堂でコーヒーを飲んでいたことを追及されると、憲政史にま