実際に取材をしていないのにあたかもしたように装って記事を制作するいわゆる「エア取材」、つまりねつ造記事の問題が連日ネットを揺るがしている。フリーライター歴25年の神田憲行氏が考える。 * * * 「エア取材」が話題になる前から、最近ふと自分の仕事に疑問を感じることがあった。「これ、俺が本当に取材したかどうか、編集者はわからへんな」と。実際に取材したかどうかなんて、私の記憶にある限り確認されたことは一度も無い。それは私がベテランだからというのではなく、若いときからない。 理由は簡単で、インタビュー取材ではだいたい相手の写真を撮影しているからだ。また取材をテープに録音していて、テープ起こしもしている。若いころは編集者から「もっと面白い話は聞けていないのか」と怒られて、そのテープ起こしした原稿を見せていた。 電話取材のように写真が撮れず、匿名氏の証言のように録音不可の取材(そういう人がたまにいる
![エア取材問題の深層 フリーライター歴25年のベテランが考察](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7bd3af292872b7630794a6bab9215686ba5bb268/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.news-postseven.com%2Fuploads%2F2016%2F09%2Fsyuzai.aflo_.jpg)