五輪・パラリンピック選手村でのコンドーム大量配布は今や有名になった。16年リオデジャネイロ大会では過去最多の45万個を配布。20年東京大会では新種目により選手数も増えたため、リオを上回る可能性がある。「ものづくりニッポン」の精神は同業界にも息づき、良質な世界最薄「0・01ミリ」を誕生させた。エイズ・性感染症防止を念頭に置く欧米人は「丈夫さ」を好むため必ずしも「薄さ」を求めないが、業界は日本製が両者を兼ねていることを、世界へ発信する五輪にしたいと考えている。【清水優、三須一紀】 ■改良 相模ゴム工業(業界2位)の山下博司営業企画室長は20年東京大会を「世界に日本の技術力の高さをあらためて知ってもらう大きなチャンス」と捉えている。 同社は98年長野冬季五輪で2万個のコンドームを提供。それこそが元祖「サガミオリジナル」だった。64年東京五輪の年に開発構想がスタートし、98年に日本で初めて製品化に