福島原発事故 米特殊チームの情報生かせず「人災」地元怒り 東京電力福島第1原発事故を受けて日本に派遣された米特殊チームが収集したのは、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)で得られる予測値ではなく、実際の汚染度を示す実測値。住民避難の「指針」となるべき貴重な情報が生かされなかったことに、地元の怒りは収まらない。 2012年7月、国会に参考人として出席した福島県浪江町議会の吉田数博議長は、原発から北西方向に高い放射線量が検出されたことを示す放射能汚染マップを見て、「(早期に)公表されていれば、多くの町民を放射能から守れたのではないか。無念さと同時に憤りを感じる」と政府対応を厳しく批判した。 浪江町は中心部が第1原発の半径20キロ圏に入るが、北西部は20キロ圏外のため、一時は中心部から約8千人が北西部へ避難。その後、多くの人が町外へ移動したが、20~30キロ圏は屋内退
うつで自殺、大学の責任 助手の遺族が東北大に損賠請求 2007年12月、東北大薬学部助手の阿部幸平さん=当時(24)=がうつ病になり自殺したのは大学側が安全配慮義務を怠ったためだとして、阿部さんの父幸秀さん(57)と母真理さん(56)が11日、大学側に計約1億300万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。 訴えによると、阿部さんは07年4月に大学院薬学研究科博士課程に進み、2カ月後に退学して助手となった。同年10月、教授の指示で抗がん剤の研究担当になり、時間外労働が月100時間を超えた。 上司からは人格を否定する言葉で怒られ、危険な抗がん剤を扱う心労も重なった。11月にはうつ病となり、自宅アパートで自殺未遂。肉体的、精神的に追い込まれた状態が続き、12月9日に大学施設から飛び降り、翌10日に死亡した。 幸秀さんと真理さんは「大学には職員の心身の健康を損なわないように注意する義
花や木が動物の顔や人に見えたら要注意? 東北大大学院医学系研究科高次機能障害学の森悦朗教授(神経内科学)の研究グループは、アルツハイマー型に次いで多いとされる「レビー小体型認知症」を、他の認知症と識別する検査法を開発した。患者に風景や動植物などの写真を見せ、被写体に無関係な人や動物の顔が見えた場合、レビー小体型の可能性が高いという。 レビー小体型認知症はアルツハイマー型にはみられない幻視症状を伴うが、短時間の診療で幻視の有無を確認するのは難しく、混同されることが多かった。 グループは、壁のしみや雲の形が人の顔や動物の顔に見える現象「パレイドリア」に着目。平均年齢75歳のレビー小体型患者、アルツハイマー型患者各34人と健康な20人を対象に、ピントをぼかしたカラー写真25枚を示し、花や草木がどのように見えるか質問した。 その結果、4枚以上で「何かに見える」と回答した人はレビー小体型では全
福島県大熊町の双葉病院は福島第1原発事故直後、「患者を置き去りにした病院」と批判を受けた。自衛隊による救出時、病院に医師や看護師がおらず、患者だけが残されていたからだ。病院関係者は本当に患者を見捨てたのか。関係者の証言を基に真相を探ると、伝わっている話と違う事実が浮かび上がってくる。(勅使河原奨治、橋本俊) <暗転> 東日本震災当日の3月11日夜、双葉病院は暗闇に包まれていた。午後に起きた大地震で停電。非常用電源も夕方すぎに使えなくなった。看護師らは懐中電灯の明かりを頼りに、患者のたんを注射器で吸引したり、点滴を交換したりした。 病院は第1原発から南西4.5キロに位置する。精神科と内科が診療対象で、寝たきりの重症患者を含む337人が入院していた。 12日、夜明けとともに事態は暗転した。町の防災広報が原発の危機を知らせ、役場前からバスで避難することを呼び掛けていた。 午後2時ごろ、症
心のケア長期サポート 東北大グループ、相談電話を開設 東日本大震災で傷ついた心のケアを長期的に行おうと、東北大大学院教育学研究科の若島孔文准教授(臨床心理学)らのグループが、5年間にわたって被災者の相談を受け付ける専用ダイヤルを開設した。電話番号を記載した名刺大のカード5000枚も作成し、避難所などで配布している。メンバーは「財布などに入れて、必要になったらいつでも連絡してほしい」と呼び掛けている。 相談に応じるのは、若島さんが設立したNPO法人「メンタル・コミュニケーション・リサーチ」や、研究室に所属する臨床心理士ら。被災者はまだ生活再建で精いっぱいだが、時間がたって落ち着くと、不眠などの症状とともに、心のケアのニーズが増えると分析。長期間にわたって相談業務を続けることにした。 2次避難や仮設住宅への入居などで、被災者の生活場所が変わっていくことを想定し、携帯しやすいカードを作った。
要援護者 届かぬ手 知的・精神障害者や高齢者 ◎不足する福祉避難所・専門職員/受け入れ縮小に困惑/仙台 障害のある人や高齢者ら要援護者は、震災に伴う環境の変化がストレスとなり、心身ともに不安定な状況になりやすいとされる。東日本大震災の被災地でも、要援護者の支援が課題になっている。 仙台市は、指定避難所での生活が難しい障害者や認知症の高齢者らを、市内の福祉施設で受け入れているが、施設は満員状態だ。自宅や家族を失った障害者も多く、市は、今後の受け入れ態勢の整備を急いでいる。 市は、福祉施設や特別養護老人ホームを、ケアが必要な高齢者らを受け入れる「福祉避難所」として指定した。震災後、市内30カ所の施設が、約230人を受け入れた。 福祉避難所となった障害者生活支援センター「ハンズ宮城野」(仙台市宮城野区)では25日現在、認知症の高齢者や心身障害者11人が、寝泊まりしている。 避難者の一人
当直医「内容替えられた」 東松島猿ぐつわ脳障害訴訟 救急隊員と警察官がインフルエンザ脳症による発作を精神的錯乱と誤って判断し、猿ぐつわをされたため呼吸停止に陥り、遷延性意識障害=?=になったとして、宮城県東松島市の男性(31)が石巻地区広域行政事務組合と宮城県に損害賠償を求めた訴訟で、同市の病院に救急搬送された男性を診察した当時の当直医が2日までに、証拠提出された救急活動記録票について、河北新報社の取材に対し「自分が記載した内容と異なる記録票に差し替えられた」と証言した。 原告側は「当直医の記載内容が(被告側に)不都合だったため、記録票が意図的に廃棄された疑いがある」と指摘している。 救急隊は病院搬送時、傷病名や程度、医師の署名などが記された記録票を作成することになっている。仙台地裁での訴訟で組合側は、別の医師が後日、「統合失調症の疑い」と記した記録票しかないと主張している。 当直医
仮出所者が一時的に暮らす国営施設「福島自立更生促進センター」(福島市)の開所に反対する市民ら約260人が25日、福島市中心部をデモ行進した。学校保護者会や地元町内会など11団体でつくる「福島自立更生促進センター開所に反対する合同会」が主催。 参加者は「ごり押し開所反対」などと書かれたのぼりやプラカードを手に、「地域住民や学校関係者の声を無視するな」「子どもたちの安全を奪うな」と訴えながら、福島県庁とJR福島駅を往復した。 合同会は同日、街頭での署名活動も再開。構成団体は計約8万人の反対署名をそれぞれ法務省側に提出していたが、合同会として反対署名を集め直し、5月中旬にも同省側に提出する。「住民理解が深まった」とする同省に対し、現在も反対する市民が多いことをアピールする狙いだという。 センターは東北唯一の施設。建物は福島法務合同庁舎敷地内に既に完成しているが、地元の反対で2008年8月の
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