■ ベンチャー層からわき起こる変化 NABの取材に来るようになって10数年になるが、出展者数は多少の変動はありつつも、確実に増え続けている。しかしその内容は、大きく様変わりした。ホールの手前は大企業、奥は小さなベンチャーというレイアウトは昔から変わらないが、ベンチャーのあり方が大きく変わったのが近年の特徴だろう。 というのも、以前ビデオ系のベンチャーと言えば、カメラに取り付ける何かとか、タイムコードが計算できる電卓とか、ハードウェア小物が多かった。それらはちょっとしたアイデアではあるものの、一目見ればなるほどと思わせる便利な発明のようなものであった。 ところが近年出展ベンチャーの多くは、一体何屋さんなのか、立ち止まってじっくり話を聞かなければわからない。つまり昨今のベンチャーの多くは、エンコーダなどの特殊LSIを作るセミコンダクタか、それを動かすソフトウェア会社に様変わりしたのである