<怪しい情報に要注意。非科学的な伝統医学を主体とする中国医療は、ウイルス対策の妨げになりかねない。本誌「新型肺炎:どこまで広がるのか」特集より> 中国全土で新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、国営の新華社通信は不安におののく国民に向けて、漢方薬が有効だという情報を流した。ウイルスに効果があるとされたのは双黄連口服液という薬で、すぐに全国の薬局で売り切れた。 新華社の情報に説得力があったのには理由がある。上海薬物研究所と武漢ウイルス研究所の研究が、中国の医療制度の主体である伝統中国医学に基づいて、この漢方薬にお墨付きを与えたとされたためだ。 これにはすぐに批判が噴出し、他の国営メディアにはこの薬に魔法のような効果はないと警告したところもある。だがウイルスとの闘いのなかで、伝統中国医学は複雑な意味合いを持っている。 今回のウイルス禍の震源地である武漢には、既に漢方の専門医125人が派遣され
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