映像を見ながら装置の上を走るマウス。渡辺さんのグループが独マックスプランク研究所で行った、マウスと機械の視覚的意識の一体化に向けた実験だ(写真:渡辺さん提供) 人類の「寿命」をめぐる常識を塗り替える可能性のある日本発の研究成果が、英科学誌ネイチャーに掲載された。その一つは、Q神経を刺激することによる「人工冬眠」だが、これは死や病気を遠ざける技術として期待はかかるものの「不老不死」を実現するものではない。そこで登場するのが「機械への意識アップロード」の研究だ。AERA 2020年7月27日号に掲載された記事で、東京大学大学院工学系研究科准教授、渡辺正峰さんの「不死のテクノロジー」に関する研究の現状について話を聞いた。 【渡辺准教授が目指す「意識のアップロード」】 * * * 不老不死はやはり夢か──。そう考えるのはまだ早い。実は、「不死のテクノロジー」の研究は国内外で進んでいる。そのトッ