長髪をなびかせ、無尽蔵のスタミナでピッチを駆け回る。サッカー元日本代表の北沢豪氏(47)は「日本のダイナモ」と呼ばれ一時代を築いた。その一方で日本が初出場を決めた1998年フランスW杯直前にカズこと三浦知良(48)=現J2横浜FC=らと代表メンバーから外されたことで世間を驚かせた。衝撃の落選後にはカズと逃亡。栄光の裏に隠された波乱のサッカー人生に迫る。 「これからのW杯を戦っていく上で、いろいろと(戦術を)変更しないといけない。そうなると北沢のポジションはなくなる…」 これだけでしたよ。岡田(武史監督)さんから言われた言葉はね。伝えるだけで精いっぱいの感じがしたし、それ以上、言い訳(説明)を聞いても仕方ないので「分かりました」と途中で話を切った。岡田さんは僕と目を合わせることもなかった。 〈1998年6月2日、フランスW杯直前のスイス・ニヨン合宿。岡田監督は北沢、三浦知良、市川大祐の最終メ