突然ですが、映画『ベストキッド』の原題が「Karate Kid』だということはご存知だったでしょうか。日本でこれを直訳して『空手坊や』としたとすると興行的にはコケそうな気がするので、『ベストキッド』というのは上手な「意訳」だと思います(わたしは『空手坊や』という映画のほうが観たいけど)。 ベストキッド以外にも映画のタイトルには、上手い訳が多いような気がします。レイモンド・チャンドラーの原作をハンフリー・ボガード主演で映画化した『三つ数えろ』も原題の『The big sleep』と比べるとインパクトのあるタイトルになっている気がします。ただ、『大いなる眠り』というタイトルに込めた原作者の思いは完全に消えているわけで、そのあたりのバランスは難しいよなと思います。 映画だけでなく書籍の場合もおそらく事情は同じで、インパクトのある訳と原作に忠実な訳とのバランスで、翻訳者はおおいに頭を悩ますのではな
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