■イスラエルの緊張感に学ぶ 筆者が論壇で尊敬している一人に潮匡人(まさと)氏がいる。潮氏は論評の対象となるテキストの内在的論理を正確にとらえた上で、建設的な批判を行う。潮氏は、党派的立場から「批判のための批判」を行うのではなく、論壇で立場の違う人々が対話を行う土俵を作る努力を怠らない。 7月1日発売の『正論』(産経新聞社)8月号に掲載された潮氏の「なぜ日本を愛せないのか 愛国心を忌避する人々の“病理”」を読んでそのことを再認識した。潮氏は愛国心について根源的な問題提起をする。 〈護憲リベラル派の中には、日本脱出を語る者さえ現れた。 《教育基本法を変え、有事法制を作り、いま憲法までが変わろうとしている。それで、果たしていいのか。それを承知の上で、それでも日本にはいま「愛国心」が必要だ、というなら私にはもう、言うべきことばはない。そうなったときに日本に住み続けるかどうかは、それ