安倍首相は「地方創生」を提唱している。良いことを言っている。問題は方法論である。最近、鹿児島県の僻地離島・奄美大島で面白いことが起きている。突如、交流人口が増え、街が賑わいはじめた。60年に亘り、2兆円ものカネを注ぎ込んでも過疎化を止めることはできなかったが、わずか9000万円で逆転劇をみせた。地方創生はカネ(予算)の使い方で成否が決まろう。奄美版地方創生には学ぶべき教訓が多い。 1、60年間、2兆円投入でも過疎化は止まらなかった 奄美群島は1953年(昭和28年)に、米軍支配から脱し日本復帰した。それ以来、半世紀以上にわたって、「奄美群島振興開発特別措置法」(通称「奄振」)により、地域振興のため、国によって特別に手厚い予算措置が講じられてきた。総事業費は1953~2013年の累計で2兆円を上回る(国費1兆4936億円)。 毎年の国費だけでも、1990年代は500~600億円/年、2000
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