政府は安全保障上の重要な土地の買収対策として検討している土地利用規制法案について、目標としてきた9日までの閣議決定を見送った。公明党が過度の私権制約になりかねないとして、自民党に慎重な対応を求めているためだ。公明には、拙速な議論が同党支持層の反発を招き、近づく東京都議選や次期衆院選に影響を及ぼしかねないとの懸念がある。(力武崇樹) 「いろいろ検討すべきことがある。しっかりと協議を尽くし、(自公)両方の共通認識を得ていく必要がある」 公明党の山口那津男代表は9日の記者会見で、法案の扱いは与党が足並みをそろえるべきだと重ねて強調した。この日は政府が閣議決定の期限に設定したはずだったが、自民の「安全保障と土地法制に関する特命委員会」委員長の新藤義孝元総務相と公明の北側一雄副代表による協議は、今月始まったばかりだ。 協議の遅れは、新藤氏が新型コロナウイルスに感染したこともあるが、自民が2月18日の