理化学研究所(理研),大阪府立大学,名城大学,日立製作所は共同で,新しく開発したV字型二重スリットを用いて「波動/粒子の二重性」に関する実験を行ない,電子の経路情報と干渉の発現の関係を明らかにした(ニュースリリース)。 研究グループは,ヤングの「二重スリット実験」における波動/粒子の二重性の不思議の実証を前進させ,電子の伝搬経路と干渉現象との関係の解明を目指し,現在,世界で最も可干渉性の高い電子線が利用できるホログラフィー電子顕微鏡を用いて実験を行なった。 一般に,従来の二重スリットを用いた干渉実験では,二重スリットに可干渉な波を入射し,両スリットで分割・通過した二つの波がスリットを出た後,伝搬する過程で広がり自然に重なる性質を利用する。しかし,スリットが十分に細い場合には,スリットを通過した波は急速に広がり互いに重なり合うため,どちらのスリットを通過した波かを区別するのは難しい。 今回,