マサチューセッツ工科大ビジネススクール教授であるケン・ブランチャードが書いた『1分間マネジャー』。米国で1982年に出版された同書は、物語風のビジネス書として一世を風靡(ふうび)し、世界中で700万部以上売れた。 コミュニケーション頻度を上げる 「1分間」とのタイトルから、浅薄な管理理論との誤解が多いが、本質は異なる。 チーム全員が週に1回集まって1人ずつ発表させるのが、伝統的な管理法だろう。報告と議論が混じるため、5~6人の参加であっても2~3時間はかかってしまう。 1分間マネジャーでは、1人1分ずつ個別に、しかし毎日マネジメントを実施するのである。現実には1人5分程度かかるが、それでも会議型管理よりはマネジャーの時間負担は小さくなる。 「多人数、少頻度」よりも「少人数、多頻度」がコミュニケーション上、効果的との考え方である。時間を減らすよりも頻度を上げることに、1分間マネジャーの本質が