治療を受けながら空爆の状況について語るアブドラヒムさん(左)とマハムドさん。マハムドさんは左目付近など頭部の痛みが続いている=リビア北東部ラジマで2011年3月5日、高尾具成撮影 【ベンガジ(リビア東部)高尾具成】病院の霊安室には、散りぢりとなった肉片が遺体と共に安置されていた。リビア北東部の反政府勢力の拠点ベンガジの南東約30キロにあるラジマ。4日夕に敢行された国軍による空爆攻撃は、多数の死傷者を出した。爆撃現場に入り、負傷者に話を聞くと、無差別殺害の実態が明らかになってきた。 イスラム教徒の休日にあたる4日の金曜日午後6時半過ぎ、ラジマにある最高指導者カダフィ大佐率いる国軍の武器庫にミサイルが撃ち込まれた。武器庫には爆弾も保管されており、連続爆発を繰り返し、約1キロ四方の一帯は一瞬にして炎に包まれた。 ベンガジ中心部の公立ジャラー病院には爆発後、少なくとも50人以上の死傷者が運ばれた。