100万円を切る低価格で昨年末、インドに投入されたトヨタ自動車の新興国向け小型車「エティオス」。このほど、日本の報道関係者向けの試乗会が初めて行われた。価格を抑えながらも、インドの生活習慣を研究し尽くした独自の装備、性能が盛り込まれている。なぜ実現できたのか。乗り心地は。富士のふもと、トヨタ交通安全センター(静岡県小山町)でインドを「体感」してみた。 「インド人になれ」。5年かけた開発で掲げられたスローガンだ。その結果、開発陣が思いを込めた「101のこだわり」が盛り込まれた。そのひとつが冷房だ。 排気量1・5リットルのセダンタイプに乗り込むと、まず目に付くのはダッシュボード中央で縦に2つ並んだエアコンの送風口。横に2つ並んだ日本仕様とは異なる。 真夏は40度を超すインドにとって「冷房は売り」(則武義典チーフエンジニア)。運転席や助手席にじゃまされず、冷風を直接、後部座席まで届けるための工夫