サーバー系インフラの設定ミスが発端だったが、その影響はアプリケーションやその上層のサービスレベルにも波及していた。完全に復旧するためには、全体の設計の見直しが必要。「それは当方だけでは手に負えず、顧客側の運用体制の変更をも必要とするものでした」と、A社に常駐するアカウントSEのSさん(32歳)。 トラブルの報告は瞬時に、インフラ、アプリケーション、サービスといった各レベルを担当するエンジニアたちに伝わった。むろんSさんの上司M氏(36歳)にも刻々と報告は上がってきた。障害情報をまとめ、顧客に報告するのは彼の役目。トラブル時の基本方策として「顧客への報告は正確を旨とする。ここで隠し立てすると後でつじつまが合わなくなる。かつ原因分析と対処法はセットで伝えること」を心がけていた。その「報・連・相」の基本は日ごろから口を酸っぱくいっていたものだった。 翌日、顧客のシステム部門との障害対策会議に臨ん