フォーサイト WORLD アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催されたロシアのウラジオストクで会談したロシアのプーチン大統領(左)と中国の胡錦濤国家主席=2012年9月7日【EPA=時事】 名越健郎 Nagoshi Kenro 拓殖大学海外事情研究所教授 9月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合を開催したロシア極東のウラジオストクは、2年前の2010年、市の創設150周年を盛大に祝った。ウラジオストクはもともと中国領で、1860年の北京条約によりロシア領に移管。帝政ロシアはこの天然の良港に、「極東を制圧せよ」を意味するウラジオストクという名前を付けた。だが、中国の新しい歴史教科書には、「極東の中国領150万平方キロが、不平等条約によって帝政ロシアに奪われた」との記述が登場した。中国はある日突然、ウラジオストクを「中国固有の領土」として返還を要求しかねない。中露間で歴史
ウクライナの「非軍事化」を唱えた以上、ロシアとしては「ウクライナにおける主要な軍事施設・外国製武器は破壊した」と言えば、国内外に向けて何らかの「勝利」を宣言することができるかもしれない。 しかし、ウクライナにおけるロシアのそのような一方的な宣言がそのまま受け入れられることはないだろう。 そもそも現実問題として、ウクライナに対する武器・装備品や資金援助は拡充されているし、国際社会におけるゼレンスキーのプレゼンスはかつてないほど強まっている。これは当初、ロシアへの圧力への参加に対して消極的であったドイツの態度をも変えるに至っている。 ウクライナとしては、ロシアの圧力に屈する理由がない。 他方で、ロシアは完全に世界経済から切り離されたわけではないが、その孤立は確実に深まっている。 それでもロシアは当分「勝利」にしがみつこうとするだろう。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く