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ブックマーク / sffts.hatenadiary.jp (8)

  • sabaku - SO FAR FROM THE SEA

    日が暮れるころに鳥取駅に着いた。朝からずっと弱い雨が降っていた。グーグルマップで適当なビジネスホテルを見繕う。ジャスコ的な店でトップバリューのヒートテック的な肌着と下着を買い、簡単に夕を済ますと部屋に戻り眠った。 翌日も雨だった。前日よりも雨足が強くなっていた。荷物を駅のロッカーに押し込み、駅前のターミナルでバスを探す。バスは「鳥取砂丘 バス」でインターネットを検索したらすぐに見つかった。iモードでも余裕だった。麒麟獅子号という名前のイカしたループバスだ。ループの方向を間違えると1時間バスに揺られることになるらしい。 正しいバス(Bルート)に乗ることができれば20分ほどで砂丘に着く。「砂丘はつぎのバス停からが近いですよ」という親切な運転手のおじさんの台詞を降車タイミングで理解するようなグズは砂丘展望台から400円のリフトを使って砂丘へ向かうことになる。しょっぱすぎる簡易リフトの上、体育座

    sabaku - SO FAR FROM THE SEA
  • 洞窟探検 - SO FAR FROM THE SEA

    栃木県、国道293号線。 道の端から盆送りの煙。 東京の練馬と群馬が38度超で今年の最高気温を更新した。埼玉も37.9度と超猛暑日。関東を中心に100以上の観測点で猛暑、猛暑とアラームが鳴った。 とにかく関東一帯でアスファルトがとろけていた。朝方に墓場へ挿した花の水は昼前に蒸発。供え物の団子は石のように乾燥してカラスもわない。 線香は消しても消しても立ちどころに発火。先祖の霊があの世に辿り着く前に燃え尽きた。 墓にかけた水は一瞬で蒸気になる。あちらこちらの墓から塵と水蒸気が混じった煙が上がり、空へ消えていく。 一方、おれの吐く息は白かった。 ここは、ひどく、寒い。 以前にこちらの記事 超巨大地下空間!大谷石地下採掘場跡に行ってきました!! - 俺は魚だ,と言ってみるテスト を読み、以来ずっと行ってみたいと思っていました。栃木県宇都宮にある洞窟のような地下空間です。 超暗い! 階段を下った

    洞窟探検 - SO FAR FROM THE SEA
  • 夢を叶えたもの - SO FAR FROM THE SEA

    ときどきテレビや新聞で発表される「おとなになったらなりたいもの(小学生編)」を見ていると、恣意的というか作為的というか出来過ぎというか、とにかく納得のいかないものを感じるよ、俺は。小学校低学年くらいだと、「ポケモントレーナー」「かめんライダー」「デュエリスト」「ゆうしゃ」「きょうりゅう」「ハートキャッチプリキュアのお母さん」「エグザイルのまんなか(坊主じゃないほう)」「サスケオールスターズ」「ニンテンドーDS」「ベイブレード」「いもうとがほしい」とかにもっと票が集まっても良いだろ。ちゃんとした職業じゃないからだめですとか言うなよ。だいたいこういうアンケートを取るのはさ、『職業には貴賤がありませんよ』とか主張する類いの集団なんだろ。ゆうしゃだよ、世界の平和守るんだよ、あんな白球をしばく奴らより全然良いじゃんか。小学校6年が書く実現可能な夢なんてものは、どうせ各方面にばらけてるんだし、まだ狭い

    夢を叶えたもの - SO FAR FROM THE SEA
  • 北関東の中心で北関東を叫んだまもの - SO FAR FROM THE SEA

    つき合い始めのカップルがディズニーランドに行くと別れてしまう、などという都市伝説がある。バーゲンなみの人ごみと軽く3時間を超えるというアトラクションの待ち時間で、人は簡単に壊れてしまうらしい。そういうものなのだろうか。少なくとも乗り物酔いが激しいやつが誤って初デートに遊園地を選んでしまったときの惨状に比べたら幾分ましなものだとは思うけれど。 似たような意味でひとつの教訓を与える。 "特に観るものもないつまらなそうな場所や口を開くと文句しか出てこない過酷な場所には、仲の悪いやつと行ったほうがいい" 最悪殺しあうことも辞さないくらいの険悪さがよろしい。仮にそこがどれほど退屈な場所だったとしても、気まずい空気が流れたりそれ以上険悪になったりする余地はない。 nowhere-1 「おれはしってる…。魔界だ…ここは魔界なんだ…」 ぶつぶつと呟く声が聞こえる。魔界。現実に人が住んでいる場所に対する表現

    北関東の中心で北関東を叫んだまもの - SO FAR FROM THE SEA
  • 真昼に利根川がやってくる - SO FAR FROM THE SEA

    どこかで似たような話を聞いたことがあるかもしれない。ということは、これはそこらじゅうにごろごろと転がっているケースであって、つまりまあその、ありふれているといえばありふれている。先日実家に帰った際に母親に聞かされた話だ。 異例の長梅雨で学生が夏休みに入ってからもしばらく大雨が続いた年。ようやく梅雨明けが宣言された翌日の8月3日、とてもよく晴れた日だった、と母は話す。日付までよく憶えてるなと聞いたら、「妊婦の記憶ってのはそういうものなのよ」とあたりまえのように返された。「というか妊娠時期のと言ったほうがいいわね。ふしぎなことだけど、おなかに子供がいるあいだに起きたことはひとつも忘れてないのよ」。ばかばかしい。俺と兄ちゃんと妹の分を合わせて約31カ月分か。なら大家族のかあちゃんは年代史をまとめるときとかに必須ですねー、超役に立ちま「それでね」遮って母が語り始める。 そのころ母は産休に入っていて

    真昼に利根川がやってくる - SO FAR FROM THE SEA
    kumoQ
    kumoQ 2010/04/24
  • おれたち秘境探検隊が北関東にやってくる ヤアヤアヤア! - SO FAR FROM THE SEA

    またとないチャンスである。おれたち秘境探検隊北関東支部に、部の役員達が監査に来るというのだ。引率役には東京支部隊長、あの某巨大掲示板に廃村写真のリンクが貼られた探検隊設立以来のエースでおれの元上司だ、も付いてくるらしい。これを逃したらもうおれに昇格の目はないだろう。情けない姿は絶対に見せられない。 なんの説明もなしで始めてしまったので、おれたち秘境探検隊について少しだけ話そう。詳しくは「おれたち秘境探検隊vol.3―死の海岸と秘境の果て―/飲めヨーグルト」やそこの過去ログを漁るとわかる。検索エンジンにかければ、東京支部の活動報告だけでなく東北支部の活躍こついても知ることができるはずだ。そういったあれだ。 そんなわけでおれは、「あの海のときみたいな失敗は繰り返さない」と意気込みながら彼らを待っていたわけです。 しばらくして、ヤアヤアヤア!おれと北関東の前に黒塗りのセダンが停まって法被姿の

    おれたち秘境探検隊が北関東にやってくる ヤアヤアヤア! - SO FAR FROM THE SEA
  • 北関東正月記(三)「鉄塔」 - SO FAR FROM THE SEA

    この町に観るようなものなんてありません。歴史文化も自然も人も。 鉄塔があたりを取り囲んでいる平地、ただそれだけです。 2009年が終わろうとしていました。 空は曇っていて、とても寒い日でした。 鉄塔は北関東電力の南部基地から毎日のように生み出されていて、日が暮れると北へ南へと列をなして歩き始める。乾いた地面をえぐり、高圧の送電線を引き摺りながら大きな一歩でゆっくりと。撒き上がった土は家々の屋根に厚く積もり、この時期は屋根の土下ろしが日課となっていた。 彼ら(とここでは呼んでおく)は日が昇ると同時に動くのを止める。やがて彼らの体には狐狸だけでなく骨組みを利用して生活をする野盗までも住み着き、雀を捕したり近くを通る小学生に糞尿を浴びせかけた。引き取り手のないポルノ雑誌などを棄てて行くという習慣まで出来た。 町にはしばしば、ドン、ドンと空砲のような破裂音が鳴り響く。「高圧線にカラスが引っかか

    北関東正月記(三)「鉄塔」 - SO FAR FROM THE SEA
    kumoQ
    kumoQ 2010/01/20
  • 北関東正月記(二)鳥の島 - SO FAR FROM THE SEA

    冬の田舎は風が強い。ほぼ毎日風が強い。それを遮る高い建物や林がないから。 田んぼと畑はからっからに乾いていて、吹き上がる土煙で視界が茶色く染まる。 学生時分はチャリ通がとても難儀だった。 風にあおられてチャリンコごとダイブ。畑に自転車を突き立てたことのない中学生なんていなかった。 沼をみてみよう。 気持ち悪くなるくらいの量のカモの中に、なぜか1匹だけアヒルがいた。 醜くも子供でもなかった。置いて行かれたのだろうか。この日の風もとても強く、なかなか前に進めないでいる。 ボスガモとおぼしき3羽がそれを眺めていた。でかい。 白鳥登場! ナイスシンクロ! 次回に続く。

    北関東正月記(二)鳥の島 - SO FAR FROM THE SEA
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