金環日食と部分日食の境界を特定する壮大なプロジェクトが21日、長野県や兵庫県など18都府県で行われた。 一般市民からの報告を募り、実際の境界線を探る世界初の取り組みだ。 この境界は金環日食を観察できる「限界線」と呼ばれ、月の表面の凸凹によってその通る場所が変化する。国立天文台は、日本の月探査機「かぐや」による最新の月の地形データを反映させて限界線を予測する一方、NASAは従来の地形データを使用。この違いによって両機関の予想は4キロ・メートルほどずれている。 そこで、天文学者や天文愛好家の呼びかけで、実際の観察から限界線を決めようと、「金環日食限界線共同観測プロジェクト」が発足。限界線に近い場所で金環日食の観察会を開き、市民から金環日食が見えたかどうかを報告してもらうことにした。