kuoncinaさんの読書記録です。読んだ本と登録した本を振り返ることができます。
ギャングシリーズ第1作で、殺し屋シリーズが始まる前年、ちょうど20年前の作品です。 主役は4人の銀行強盗団、ギャングです。でも「陽気な」って付く通り、一風変わった能力をもつ4人でした。伊坂さん、強盗好きですね。彼らは、「なるべく人を傷つけない」主義のもと、鮮やかに颯爽と連携して強盗をします。そのキャラクター・手口がとても魅力的です。 暴力的犯罪活動もなく、金銭的利益を得ようとはしますが、反社会的集団、強固な組織や闘争性といった印象がほぼ感じられません。そのダサかっこよさの同居が伊坂流ギャングなんですね。 これに、ユーモアがあって軽快な会話の妙、スリルとスピード感ある先が読めない展開、次々と新たな事件に巻き込まれながら、伏線が見事に回収されていく爽快感など、伊坂ワールドの源流を感じさせてくれます。 ハイセンス伊坂節の一例は「割り算」の話。ゼロで割られない理由を、「ギャングの分け前計算に使うか
1.著者;奥田氏は小説家。文章を書くのが得意で、広告のプランニングやメディアの仕事を経験。新人賞をとって作家になる人が多い中で、氏は出版社への持込み、「ウランバーナの森」でデビュー。少年時代は、マンガを好んで読み、歴史本や太宰治・夏目漱石にも目を通しました。”小説は、人をどう楽しませるかが大切で、必要なのはサービス精神”が持論。「空中ブランコ」で直木賞、「オリンピックの身代金」で吉川英治文学賞・・など、多数受賞。映像化されたヒット作も多い。 2.本書;精神科医の伊良部(主人公)の元に来る、精神的な悩みを持つ患者に破天荒な診療を施し、悩みを解決していくという5つの短編。短編は、①空中ブランコ(患者;サーカス団員)、②ハリネズミ(患者;先端恐怖症のヤクザ)、③義父のヅラ(患者;伊良部の同期生)、④ホットコーナー(患者;プロ野球選手)、⑤女流作家(患者;女流作家)。5人の患者は、順調な人生を送っ
1.著者;伊坂氏は小説家。大学卒業後、システムエンジニアとして働きながら小説を書き、文学賞に応募。デビュー作「オーデュポンの祈り」で新潮ミステリー倶楽部賞受賞。その後、作家専業となる。「重力ピエロ」で世に認知され、「アヒルと鴨のコインロッカー」で吉川英治文学新人賞受賞。「ゴールデンスランバー」で山本周五郎賞受賞、「逆ソクラテス」で柴田錬三郎賞受賞。氏の著書は米・英・中国・韓国、等で翻訳刊行。 2.本書;兄弟と父母の4人家族には、過去に辛い出来事があった。弟(はる)は、亡き母がレイプされて出来た子という設定。過酷な境遇の中で、連続放火と火事を巡る事件が始まり犯人捜しする物語。家族4人の性格描写が見事で、味わい深く、ミステリーというよりも感動的な兄弟・家族愛に溢れた小説。本書は、大きな賞は取っていないが、直木賞・本屋大賞・・等の候補になりました。勲章なくとも読み応えある作品です。 3.個別感想
太宰治の中期の代表的短編集。 著者の作品の中で読んだことがあるのは『人間失格』だけ。 ふと『走れメロス』も子どもの頃にアニメ映画で観たなぁと思い手に取った。 結婚して比較的安定していた時期の作品らしく、ユーモアがあったり、自虐の中にも愛情や希望を感じたりできる作品が多かった。 「ダス・ゲマイネ」 東京で暮らす4人の青年が雑誌を作ろうとするなか、芸術や恋をめぐり対立する。なんと太宰治も若手作家として登場。ユーモアのある4人のやり取りが面白かった。性格は全く違うのに4人とも太宰治の内面から生まれたキャラクターのように感じた。 「満願」 一度読んでも理解できず、二度目でなるほど~と。太宰治から見たひとりの女性の清らかさや美しさが描かれる。直接的な言葉を使わないことで、生々しさは一切なく軽やかで爽やかだった。たった3頁でこんなにも表現できる太宰治ってやっぱりすごい。 「富嶽百景」 井伏鱒二の紹介で
ここに言う密室とは、家庭のメタファーみたいなもんである 核家族化の進んだ現代において それは確かに、世間の目から遮断された、密室内の営みと言えるんだ そしてそれゆえに、しばしば不健康なものとして 立場の弱い子供たちを束縛する 家庭の束縛と、タテマエ社会の自由とのあいだで板挟みにされ 精神のつじつまが合わせられなくなってくると彼らは 密室という茶番に反抗して無軌道に走ったり あまりにちっぽけな世界の支配者をわざと無視したり 自分自身が別のところにつくった密室で、暴君になってしまったりする 甚だしきに至っては 家族関係にまつわる鬱屈を誰かにわかってほしいあまりに 自己表現として、密室殺人を演出してしまったりするわけだ だけど俺らはそうはならずに、理想の愛を追い求めていこうな、ってのが まあこの作者のいつものアレなんだが もちろん僕だってその見解には大賛成なのさ しかしそれでもやはり 母の死の巻
今回今までとちょっと趣向が違いました。事件のはじめに後藤も八雲も行方不明。晴香や石井や真琴たちがどうにかこうにかナゾに迫る展開に。 ある日八雲の元に持ち込まれたビデオテープにはある番組の取材映像が。それは15年前に4人が殺害され、娘が行方不明になった現場の映像だった。そしてそのビデオの最後にはある女性の映像。その翌日八雲は姿を消し後藤も現場で行方不明に。最終的に二人を保護するものの、石井の導き出した結論はもう一転することとなり・・・ ダメ刑事ものとして新シリーズにしちゃえば?みたいな今回。八雲がちょっと過去に向き合ったり、ちょっとボロボロになったりして小気味良い(笑)
やっぱり名作ですね、どうなるかわかっていても、わんわん泣いちゃって。 2の名言と言えば、 「レインボーブリッジ、封鎖できません!」 まずはこれ。 くるぞ、くるぞ、と唱えながらこの名言を待つ、何回でも観ているからこその楽しみ方。 流れていたBGMもピタリと止まる瞬間。 あとは、 「どうして現場に血が流れるんだ!」 これもこの作品の名言だと思う。 この後の室井さん、かっこよすぎ。 個人的に胸を打たれたのは、 和久さんが病院で泣くシーン。あそこで、これまでしくしく泣いていたわたしも、ついにわんわん泣きだした。 それと、神木隆之介の圧倒的なかわいさ。 命令とか、組織とか、リーダーとか。 結局は、信頼関係に尽きる。 上に立つ人が、部下となる人のことを大切に思っているかどうか。部下となる人が、普段どんな風に仕事をしているのかをきちんと見て知っているかどうか。部下が、どんな人であるかを、知っているかどう
今回は八雲に商売敵(?)登場か!?って感じで。 依頼を受けて現場に向かった八雲の前に、両目の赤い霊媒師が登場。彼にも死者の魂が見えるという。 今回は八雲の脳内推理ばっかりが進行して後藤刑事と同じように読者もモヤモヤしちゃう展開かな。最後に一気にわかりはするけど。 強姦された後、警察に届けを出して必死で犯人逮捕に協力していた女性がある日突然自殺。その霊が今回の事件の発端だったのだが・・・
ロックダウンするかどうかって時に、「できるわけないでしょ、レインボーブリッジすら封鎖できないんだから」とか言ってるくらいに踊る大捜査線シリーズは大好きで、映画だと特に2が好きなんだけど とりあえず原点回帰 飽きさせない演出、音楽 青島刑事がブラインドから外を覗いて以降の、怒涛のラスト! 何回も観ている作品なのに、涙が止まらなかった この映画で最も有名なフレーズといえば、「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」っていうあれだ でも今回わたしの心に刺さったのは、室井さんが厳かに放った「正しいことができないんだ、自分の信念も貫けない」という言葉だった リアルタイムで観た時には計り知れなかった、この言葉の重み 社会人として働いていると、ものすごい現実味を帯びて響いてくる 職場で喫煙とか今の時代ありえない 職場で朝を迎えるなんて今の時代ありえない (警察という仕事柄、少し普通とはず
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く