LGBTなど性的少数者をめぐる自民党議員の人権意識を欠いた主張に、反発が広がり、静観の構えだった同党が異例の見解公表に追い込まれた。安倍晋三首相も多様性の尊重を記者団に強調した。しかし、認識のズレは否めず、事態の沈静化は見通せない。 2日午前10時前、自民党の公式ホームページに、「LGBTに関するわが党の政策について」と題する文書が掲載された。 同党の杉田水脈(みお)衆院議員が寄稿の中で同性カップルを念頭に「子供を作らない、つまり『生産性』がない」などと主張したことへの党見解だった。「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現」とし、杉田氏を「指導」したという。当選2回の議員の問題発言で、こうした対応が取られるのは極めて珍しい。 午後には、安倍晋三首相が視察先の宮城県東松島市で記者の質問に応じ、杉田氏の問題に初めて言及。人権と多様性の尊重は「政府与党の方針」と強調した。 当初の反応は鈍か