様々なメディアが報じているように、コロナ禍において女性の「自死」が急増している。警察庁の発表によれば、今年7月から10月までの女性の自殺者数は2,831人(暫定値、11月16日集計)であり、前年の同じ時期と比較して4割以上増加している。 自死が増加している背景には、新型コロナの感染拡大に伴う経済的な影響、生活環境の変化、育児負担やドメスティック・バイオレンスなど家庭内の問題など、様々な要因があると考えられるが、見落としてはならないのが職場における「労働問題」だ。 私たちNPO法人POSSEがNHKと共同して実施した聞き取り調査では、コロナ禍の「労働問題」が女性の生活やメンタルヘルスに与えている影響について、一定の手がかりを得ることができた。いくつかの事例を紹介し、自死の拡大を防ぐために私たちに何ができるかを考えたい。 非正規女性を直撃したコロナ禍 事例を紹介する前に、統計データを確認しよう