バーナンキ、スティグリッツ、ソロス等、名だたる経済学者・財界人が絶賛のコメントを寄せているマーティン・ウルフの「シフト&ショック」。2007年-2008年の金融危機を主軸に据え、なぜ金融危機が発生するのか、金融危機はどのような影響を与えるのか、そしてその対処策はあるのか、といったテーマを、膨大なデータを参照し、隙の無い論理・切り口で、整理し、解を模索する凄まじい本である。 ウルフはイギリス人ジャーナリスト。フィナンシャル・タイムズでチーフ・エコノミック・コメンテーターを務める、世界で最も影響力のあるジャーナリストの一人だ。 ウルフがこの本で首尾一貫して主張していることを、単純化を恐れずまとめれば、 ・金融危機は、規制緩和とグローバルな資本移動によって必然的に発生した。 ・金融危機直後の金融政策はそこそこ効果的だった。 ・そのあとの緊縮財政はまずい。 ・ユーロ圏は終わってる。 こんなところだ