本日の日経新聞「経済教室」に、『伝説の教授に学べ!』でもおなじみ若田部昌澄氏が登場。「大恐慌再来 防ぎ切ったか」と題して、金融危機後の世界のマクロ経済を概観するとともに、「出口戦略」について懸念を表明している。例によって備忘録の意味もふくめ、内容をご紹介しよう。 先のリーマン・ショックから2年。各国では財政再建や利上げなど、いわゆる「出口戦略」の議論が始まっている。G20サミットでは、先進諸国が2013年までに財政赤字を半減させるという目標が明記された(日本は経済状況の厳しさを考慮して例外的なあつかい)。 国際決済銀行(BIS)が出口戦略の早期発動をうながす一方、ポール・クルーグマン氏は「早すぎる出口戦略」をいましめ、大恐慌の再来を警告(たとえばこの記事)。IMF専務理事のストロスカーンも財政再建の必要はみとめつつ、ひとまず経済回復をうったえている。 いまや経済学界でも、危機対応の研究が目