7月15 大山典宏『隠された貧困』(扶桑社新書) 7点 カテゴリ:社会7点 生活保護は、時に「福祉のゴミ箱」と言われます。 他の制度では救えない人たちのための最後の砦といえば聞こえがいいのですが、実際には「対応が難しい、やっかいな人を引き受けてくる」、言葉を選ばず言うと、「面倒ごとは生活保護に任せておけばいい」というニュアンスで使われます。(236p) これは、この本の「あとがき」に書いてある言葉です。 この本を読むと、この「福祉のゴミ箱」という言葉が非常によくわかると思います。さまざまな福祉制度の網からこぼれ落ちてしまう人々。そうした人々が生活保護に頼らざるをえない状況があるのです。 この本でとり上げているのは「児童養護施設出身者」、「高齢犯罪者」、「薬物依存者」、「外国人貧困者」、「ホームレス・孤立高齢者」で、それぞれに1章が割り当てられ、章の内容は当事者へのインタビューと、制度の説明