日本と韓国の出版流通システムは大きく異なる。このことは、今日に至るまで両国のコミック産業の違いに少なからぬ影響を与えている。雑誌とコミックスを連動させたしくみを完成させた日本と、雑誌漫画が衰えて貸本漫画と新聞連載の長編漫画が大きくなっていった韓国の、1950年代から70年代までの差異の背景に関して、流通視点から考えてみよう。 中編記事「韓国漫画を理解するなら絶対知るべき「漫画房」「貸本所」「貸与店」の違いとは?」より続く。 韓国戦争(朝鮮戦争)後に登場した「委託販売」が出版界を変えた 1952年、韓国出版界に特定図書や雑誌だけを独占販売する出版卸売の業態「総販」が登場し、それまで韓国で一般的だった「本を仕入れるには書店が出版社に対して現金前払い」の取引ではない、委託+後払い取引が生まれた。 現在でも韓国の出版流通は大きく分けて3つのルート「雑誌流通」「教科書流通」「書籍流通」がある。このう
![日本と韓国のコミックに違いをもたらした「意外なもの」(飯田 一史,宣政佑,イ・ヒョンソク) @moneygendai](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c3f442fba4ee42f044dd5ca9afb7b6587267c0f3/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F8%2Fd%2F1200m%2Fimg_8d7df927ab70ecf9048ae2c188c388ac98925.jpg)