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ブックマーク / k-houmu-sensi2005.hatenablog.com (6)

  • ついに世に出た“真打ち”的評釈 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    昨年秋に判決が出て以降、ジュリスト、NBL、と、ボチボチ速報的な評釈が登場していた「自炊代行業者著作権侵害事件」だが、1月6日付けで、判例DB大手のWestLaw社の「今週の判例コラム」のコーナーに、北大の田村善之教授の解説が掲載された*1。 おそらく、そんなに時間が経たないうちに、会員しか読めないエリアに持って行かれてしまうことになるとは思うのだが、コンパクトにまとめられたものであるにもかかわらず、今回の2件の東京地裁判決に対する評価としては、個人的に最も共感できる内容となっているだけに、取り急ぎこの場でご紹介しておくことにしたい。 「自炊代行業者と著作権侵害の成否」 田村教授の解説は、「自炊」の問題全般に簡単に言及した上で、「タイプ毎の著作権侵害の成否」について述べていくところから始まる。 そして、今やすっかりこの分野での必読論文になりつつある、小坂準記=金子剛大「まねきTV・ロクラク

    ついに世に出た“真打ち”的評釈 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
  • 夏休みに読んでみた本(その3)〜知財法分野を語る上で必読の珠玉の講演録 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    そろそろ“夏休み”気分からも醒めて、この先の怒涛の仕事ラッシュに怯える時期に差し掛かっているのだが、そんな中、気合で読み切ったのが、このである。 ライブ講義 知的財産法 作者: 田村善之出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 2012/06/06メディア: 単行この商品を含むブログを見る 知財法の分野で、長年にわたり第一線の研究者として活躍され、体系化された世界観を構築されている北大・田村善之教授の講演のうち、「特に理論的、実務的に重要なものを選んで活字化することにした」*1一冊。 元々掲げていた競争法的な視点に加え、「市場志向型知的財産法」ということで、市場と法、更に政策決定プロセスまで絡めて、知財法分野の複雑な問題を明快に説き起こそうとされているのが最近の田村教授で、各種雑誌等に掲載されている論文にも、そのようなトーンが強く打ち出されることが多い。 そして、上記のような一貫した視点から

    夏休みに読んでみた本(その3)〜知財法分野を語る上で必読の珠玉の講演録 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
  • これぞ格好の研修素材〜“フリー素材”の怖さ - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    著作権に関する社内研修等で、必ずと言ってよいほど例に出てくるのが、 「ネット上からの写真素材の収集」 である。 「『フリー』と書いてあっても、そんなの信用できないから、会社の業務で使うのはNG」。 「個人で使うのは勝手だけど、『注意書き』をよく確認して“ひっそりと”使ってくださいね・・・」みたいな話をした(された)経験のある方は多いのではないだろうか。 ・・・で、「違法なのは分かりましたけど、それで問題になることって、当にあるんですか?」みたいな、空気を読まない質問(笑)が出て、対応に困った経験のある方も、もしかしたら、いらっしゃるかもしれない。 だが、そんなところに、実に分かりやすい裁判例が世に出された。 知財担当者にとっては“朗報”ともいえるこの判決を、以下では簡単に紹介しておくことにしたい。 東京地判平成24年12月21日(H23(ワ)第32584号)*1 原告:A、ハワイアン・ア

    これぞ格好の研修素材〜“フリー素材”の怖さ - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
  • “読まず嫌い”になるなかれ。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    新司法試験を目前に控えたこの時期に、ちょっとした話題になっている一冊がある。 知財研究者として第一線で御活躍されている田村善之教授が執筆者として名を連ねていて、しかも出版元が信山社、となれば、どれだけ格的な学術書なのだろう・・・? と誰もが思うはず。 だが、「はしがき」によれば、これは明確に新司法試験の知的財産法選択者をターゲットにした「受験対策書」。 さらに、そこに記された「論証ブロック」という、今や懐かしい(?)フレーズのインパクトゆえ、「法科大学院の教授がこんなを出すなんて!」、「司法制度改革っていったい何だったんだ!」的なトーンで、あちこちで物議を醸しているようだ。 ロジスティクス知的財産法?〈特許法〉 作者: 田村善之,時井真出版社/メーカー: 信山社発売日: 2012/03/30メディア: 単行 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 自分は、新試験には最

    “読まず嫌い”になるなかれ。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
  • Winny無罪は必然か?それともクリスマスの奇跡か? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    20日の夜から21日にかけて、一斉に報じられた、「『ウィニー』開発者無罪確定へ」というニュース。 最高裁で検察官上告が棄却され、開発者の金子勇氏に対して「逆転無罪」判決を言い渡した大阪高裁の判決(大阪高判平成21年10月8日)が維持されたことにより、2004年の逮捕以来、“被疑者”“被告人”という地位に身を置き続けることを余儀なくされた金子氏も、ようやく名実ともに“解放”されることになった、といえるだろう。 「Winny」をめぐる一連の捜査が開発者の逮捕、起訴という事態にまで至ってしまった背景には、当時の世の中に蔓延していた「インターネット文化」に対するいわれなき不信感があったように思われ、法的な解釈はともかく、一開発者にまで刑事責任を負わせる、というのはやり過ぎ! という意見は、実務家の間でも当初から根強かった(元々、「幇助犯」のような従犯は、どんな事件でも常に起訴される、というわけでは

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  • グリーのしたたかな戦略 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    以前から当ブログでも取り上げてきたDeNA対グリーの果てしなき闘争*1だが、遂にグリー側から正式に訴訟提起のリリースがなされた。 「交流サイト(SNS)大手、ディー・エヌ・エー(DeNA)が取引先のゲーム開発会社に対し、他のSNSゲームを提供しないよう圧力をかけたなどとして公正取引委員会の排除措置命令を受けた問題で、同業のグリーなどは21日、DeNAに計10億5千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。請求額はグリーが9億円、共同でサイトを運営するKDDIが1億5千万円。」(日経済新聞2011年11月22日付け朝刊・第39面) 1ヶ月前の報道*2では、 「ゲーム開発会社など通信関連企業数社とともに数十億円を請求する見通し」 とされていたから、スケール的には若干小さめに抑えられた感もある。 ただ、大手通信キャリアの一角、KDDIを巻き込んで共同で提訴した、というのは、この問題がS

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